フォルクスワーゲン ゴルフTDIを試乗した感想【レビュー】


7月某日、ゴルフGTIの法定一年点検のために行きつけのフォルクスワーゲンディーラーに行きました。

その点検中の待ち時間にゴルフTDI、現行第8世代ゴルフの2.0ℓディーゼルエンジン車に試乗できたのでレビューを書きました!

試乗させてもらった白いゴルフTDI R-Line
試乗させてもらった白いゴルフTDI R-Line

フォルクスワーゲン ゴルフ 2.0 TDI ディーゼルとは

eTSI R-Line / TDI R-Line
eTSI R-Line / TDI R-Line
引用元:https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/golf.html

【スペック】
ボディサイズ:全長4284mm×全幅1789mm×全高1456mm
ホイールベース:2636mm
エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:1968cc
最高出力:150ps/3500-4000rpm
最大トルク:360Nm/1750-3000rpm
トランスミッション:7速DSG
駆動方式:FF
サスペンション形式:前マクファーソンストラット/後マルチリンク
WLTCモード燃費:20.0km/L

【グレードと価格】(2022/8 価格改定後)
TDI Active Basic:359万円
TDI Active Advance:416万円
TDI Style:421万円
TDI R-Line:426万円

Cセグメントハッチバックの代表格であるフォルクスワーゲンのゴルフですが、最新型第8世代のパワートレインはガソリン(TSI)、ディーゼル(TDI)、天然ガス(TGI)、マイルドハイブリッド(eTSI)、プラグインハイブリッド(eHybrid)の計5種類。
日本で正規販売されているのはマイルドハイブリッド(eTSI)とディーゼル(TDI)の2種類で、これにゴルフGTIと今後ゴルフRが加わるというラインナップ。

通常ガソリンモデルの販売がないとはいえ…ゴルフ8で一番安いマイルドハイブリッドのeTSI Active Basicグレードで315万円、一番上位のTDI R-Lineグレードで426万円と…先代のGTIに迫る値段…上位グレードでは先代GTIを凌駕するお値段なので正直お高い…!と思ってしまいます。

とはいえゴルフ8ではデジタル化が大幅に進みハイテク装備満載なので相応の価値はあります。
従来型ゴルフのパッケージングで十分であればサイズが大きく進化しているポロがそのポジションにあると言えますね。
車種名のイメージに惑わされずに必要なサイズ感、機能を見極める必要があると思います。

今回試乗したのはディーゼル(TDI)モデル。
ゴルフTDIは評判が良いみたいですね、と営業さんと世間話していたら試乗してみますか?と言われたので喜び勇んで試乗することとなりました!

ゴルフTDI エクステリア

ゴルフTDIエクステリア
試乗したのは最上位グレードのR-Line
専用バンパーと17インチアルミホイール装備

ゴルフTDIのエクステリアは基本的にゴルフ8シリーズ共通の見た目。
マイルドハイブリッド搭載のeTSIと同じなので外観からは区別が付かない気がします。

ゴルフ8はいかにもゴルフというアイコニックな造形は継承しつつ、ヘッドライト周りはオシャレになりましたね。
ゴルフは8世代目ですがどれもがゴルフと分かる意匠を継承しているのが本当に素晴らしいと思います。

サイドにも「R」バッジ
サイドにも「R」バッジ
LEDマトリックスヘッドライト“IQ. LIGHT”
LEDマトリックスヘッドライト“IQ. LIGHT”
「TDI」であることを示すバッジはなし
「TDI」であることを示すバッジはないので外観からはパワートレインは分からないですね。
バンパー下部の穴はダミー
マフラー出口のバンパー下部の穴はダミー。塞がっています。
下からのぞき込むとマフラー出口が確認できる
下からのぞき込むとマフラー出口が確認できます。
軽油の給油口の他にAdBlueの給油口も有り
軽油の給油口の他にAdBlueの給油口も有り
R-Line専用5ダブルスポーク17インチアルミホイール

R-Line専用アルミホイールにはOEタイヤ「ブリヂストン TURANZA T005」を履いています。
TURANZAはブリヂストンのプレミアムコンフォートタイヤREGNOのグローバルブランド。
スポーティな操縦安定性とラグジュアリーな乗り心地を両立しているタイヤです。
サイズは225/40R18。

新型ポロR-Lineはサイズは若干違えど同デザインのホイール。
タイヤの銘柄は「ContiSportContact 5」というプレミアムスポーツタイヤでしたので、ポロとゴルフでキャラクターが分かれているのが面白いですね。

ゴルフTDI インテリア

デジタル化が進んだゴルフ8の運転席
デジタル化が進んだゴルフ8の運転席

インテリアもゴルフ8で共通のもの。
先代と比べると大きくデジタル化が進み、運転席正面には3方向ディスプレイに囲まれた航空機のコクピットのように見えます。
右側はディスプレイのようでディスプレイではないですけど。

ゴルフが誕生以来、追及してきた無駄のない機能美へのこだわりの最新の形…ということですが未来的な意匠はかなり感じつつトータルで見ると間違いなくゴルフのインテリアだ!と分かる上手な造りだと思います。

個人的には車の運転席は美術品のようなアナログ的なものよりもデジタルガジェット的なものが好き。
前乗っていたホンダ CR-Zのコクピット感もすごく気に入っていました。

ステアリングスイッチは物理ボタンではなくタッチコントロール式
ステアリングスイッチは物理ボタンではなくタッチコントロール式
タッチコントロールパネル
メーター右側はディスプレイではなくタッチコントロールパネル

新しいガジェット的なものが好きな私ですが…ステアリングスイッチ、エアコンやライト系の操作がタッチコントロールになっているのはちょっと好みではないかも。
運転中のブラインドタッチはし辛そうですし、誤操作防止のためにタッチ感度はスマホのタッチと比べるとかなり鈍いので心地よい操作感というのはあまり感じませんでした。
押したときに返してくれるクリック感がもう少し強いといいかもしれない。

ところで一般的なナビのタッチパネルが経年により徐々に鈍感になるように、このゴルフのタッチコントロールは経年劣化で反応が鈍くなったりしないのかな…?
ちょっと気になるところです。

シフト周りの質感が賛否分かれるところ
シフト周りの質感が賛否分かれるところ

シフト操作は小さなノブ状のスイッチで操作。
従来型のシフトノブはカッコ良くデザインすることで内装の質感を上げるのに一役買っていましたが、それがスイッチノブとなり簡素化されたことでシフト周り自体がチープに見えるようになった印象を受けます。
特に先代から質感は落としてはいないようですが…シフトノブの見た目の存在感は大事だと思います。

インテリアアンビエントライトは昼間でもはっきり見える
インテリアアンビエントライトは昼間でもはっきり見えてカッコイイ。

シフト周りの質感やタッチコントロールは…ちょっと好みに合いませんでしたが、総じてインテリアデザインは未来的でカッコ良くて好きです。

特にインテリアアンビエントライトは昼間でもはっきり見えるくらい発光しており非常に羨ましい機能ですね。
色は30色から選べるみたいです(下位グレードは10色)。
こういう楽しい機能は積極的に他車にも取り入れてほしいものです。
うちの先代ゴルフGTIにもアンビエントライトはあるのですが…色はGTIカラーである赤だけで他の色は選べませんし夜しか光っているのが分かりません。

後部座席も広いスペース有り
後部座席も広いスペースが確保されています。

ゴルフ特有の機能性重視のシンプルで洗練されたデザインは健在、そして積極的にデジタル化を進めているのは私的には好印象でした。

ステアリングヒーターやシートヒーターは中間グレードから標準装備だとか…本当に羨ましい。
価格が高いだけあり豪華装備です。
うちのゴルフGTIにはどちらも付いていないのですよ…。

ゴルフTDI 走ってみた感想

1時間ほど試乗しました。
高速道路はナシ、ですがそれなりに速度を出せるバイパスを走らせてもらえました。

先ず最初に断っておかなければいけないことが…
私は先代のゴルフTDIを乗ったことないですし…それどころかディーゼルエンジン車自体今回初めて乗ったので先代からの進化であったり最新型と従来型のディーゼルエンジンの比較とか全くできません。
あくまでも一般的なガソリン車と比較しての試乗感想となります。

運転して直ぐに感じた印象は…速い!とにかく速い!!
ゴルフってこれ以上ないくらい普通のファミリーカーですよね!?
ファミリーカーをこんなに速くしていいの!?って心配になるくらいモリモリ速度が出ます。
これがディーゼルエンジンが生み出すトルク360Nmの力…!

加速Gを感じる爆発的な瞬発力…という感じではないですが普通にアクセル踏んでいても、気が付くとあっという間に公道で出してはいけない速度付近までスピードが迫っているなんてことになります。

何の変哲もない普通のファミリーコンパクトカーですが…この車をマイカーとして最初の一台にしてしまうと車への性癖がこじれること間違いなしです!(誉め言葉)

速度への驚きに慣れてくると他の細かいところにも気が付きます。

  • DSGは低速でのもたつき感や変速ショックがかなり改善されているらしいのですが、言われても全く分からないほどスムーズに動いてしました。
    でもこれは私がそもそもAT自体にほぼ乗ったことがない故に感じられなかっただけかもしれない。

  • しっとり、重厚感があるハンドリング。
    重厚感があるというのはハンドルが重いという意味ではないです(笑)。
    いかにもドイツ車らしい「狙ったラインをしっかり走れる」というハンドリング。
    私の先代ゴルフGTIはもっと軽快感を感じたのでフィーリングの違いは車のキャラクターの差でしょうかね。

  • 静粛性が高い。
    振動は信号待ちのアイドリング時に意識を向けると「あぁ…この振動はガソリン車にはない振動だ」と理解できました。
    でも意識を向けないと分からない程度。
    カラカラ音を感じたのは始動後のアイドリングと信号待ちの時くらいでした。
    試乗中なので車内オーディオはオフ、マイカーとして乗る場合は車内オーディオを使用しているでしょうからその場合は全く聞こえないレベルだと思います。

  • ステアリングヒーター初体験。
    冬の駐車中に直射日光で温まったハンドルを握っているかのような柔らかい暖かさ。
    いいですね、これ!
    この時は7月だったので直ぐオフにしましたが、人によってはシートヒーターよりもステアリングヒーターの方が効果ある!と言う人もいるのがよく分かりました。
    この機能欲しい…!

尚、210km/hまで対応する運転支援システムを搭載しているようですが、当然ながら今回の試乗では試せませんでした。
210km/hは完全に日本の公道ではオーバースペックですね!(笑)

まとめ

速さに驚き…そしていかにもドイツ車といったしっとり重厚感あふれる乗り味に感心しました。

ゴルフってCセグメントのコンパクトカーでしょう?
こんな車に乗ってしまうと、その次に乗る車に要求する性能のハードルがすごく上がってしまうのでは?と心配になる完成度でした。
特にTDIエンジンのトルクフルなエンジンパワーを経験してしまうと、国産や外車問わず必要十分なエンジンパワーにしている一般的な車には戻れなくなってしまうのでは?と思います。

今回も褒めすぎな記事になってしまいましたね…。

一つ褒める以外のことを書き加えるのなら…ゴルフの問題点はやはり値段の高さですね。
車の出来自体は価格相応…いや、フォルクスワーゲンのグローバル戦略車ですから価格以上のコストパフォーマンスを有しているのは間違いありません。
但し400万円超えという価格は、性能+アルファの付加価値も必要になる価格帯だと思います。
Cセグメントのコンパクトハッチバックという商品性ではコストパフォーマンスが良くてもそれだけでは物足りなさを感じます。

でも私的には…車趣味を持たない一般の人に、このゴルフTDIに乗ってもらって車に対する趣味性に目覚めてほしいと思いましたで今後は積極的にこの車を勧めていきたいと思います(笑)。

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