2年前、愛車のS660に大人気のアジアンタイヤであるナンカンNS-2Rを装着しました。
このタイヤを使い切りましたので今回は再レビューをしていきたいと思います。
結論から先に記しますと…
- 高グリップを発揮するのは最初だけ
- 使い方によってはコストパフォーマンスは良い。
ファーストインプレッションはこちら。
使用条件は以下の通りです。
- 装着車両はほぼフルノーマルのS660
- 使用タイヤ
F) NANKANG NS-2R 165/55R15 75V (TRAED120)
R) NANKANG NS-2R 195/45R16 84V XL (TRAED120) - 街乗り5割/ワインディング5割(サーキット走行なし)
- 公道オンリーの割には元気よく走る走り方。
高グリップを発揮するのは最初だけ…
このタイヤを使い切った今、最も強く印象に残ったことは…良いタイヤと感じたのは最初だけだったということ。
ファーストインプレッション記事で書いた通り、履き始めは値段の割に驚くほど良いスポーティーなパフォーマンスを発揮しました。
特にグリップは価格を考えると素晴らしいと思います。
国産ハイグリップタイヤの半分程度の価格でそれらに迫る性能を持っているのはすごい!価格破壊だ!と思いました…が、安い価格にはそれ相応の理由が存在するわけでした。
走行距離600㎞あたりからグリップが徐々に失われていき、800㎞を超える頃には重くて乗り心地が悪いだけの安タイヤに成り下がります。
S660の性能なら気持ちよく曲がれるコーナーでもタイヤのグリップ力がボトルネックになりコーナー速度が低下してしまいます。
私の場合、トレッドウェア(グリップ力の高さと摩耗しやすさの指針となる数値)が180のダンロップ DIREZZA ZⅢを公道のみで8か月8,000㎞で使い切るくらいハードに使用します。
このNS-2Rはトレッドウェア120というZIII以上に摩耗しやすいタイヤ…のはずなのですが。
同じ車両・同じドライバー・同じ使い方で2年間18,000km走って尚、スリップサインまでの溝がまだ2.3㎜も残っていいました!
これは確たる証拠として、タイヤライフのほとんどがトレッドウェア120ではないということを実証しているのではないでしょうか。
他の方のレビューはサーキットでの使用であったり、ファーストインプレッションのみの記事だったり、このタイヤの美味しい部分だけの評価が多く、使い終わった際のレビューが非常に少ないです。
中々上手な商品戦略だなと感心しますね。
NS-2Rの購入した理由の一つに「安さの秘密」を知りたいということもあったので、それが分かったのは満足です。
グリップ以外の性能についても、乗り心地も走行距離に応じて更に悪くなり、荒れた路面では車が壊れるのでは!?と心配になるくらいの衝撃を伝えてきます。
タイヤが本来吸収するダメージをダイレクトに車体に伝えている感じでしたのでこれが嫌すぎて溝が残っていましたが早めのタイヤ交換に踏み切りました。
車体構造が折れたり割れたり変形したり…といった目に見えるダメージではもちろんないですが、徐々に車体のヨレとしてダメージが蓄積されていると思います。
使い方によってはコストパフォーマンスは良い。
最初しかパフォーマンスを発揮しないというのは大きなデメリットですが、その特性を理解して使用するのなら依然として選択肢になるタイヤだと思います。
例えばサーキットでの練習用として使い潰す用途にはぴったりかと。
またタイヤのケース剛性はしっかりしているのでコーナーでのタイヤのヨレが少ないです。
グリップ力が足りる領域では気持ちよくコーナリングができます。
ADVAN FLEVA V701のような所謂セカンドグレードスポーツタイヤの中にはグリップは良くてもケース剛性が頼りなくてS660の運動性の足を引っ張るものもありますので。
公道を制限速度付近で楽しく走れればそれでよい、といったスタイルであれば価格の安いNS-2Rは良いタイヤといえるのではないでしょうか。
また履きたいかと言われると…
NS-2Rがどんなタイヤなのか、実際履いてみてよく分かりました。
新品の時は良いですが、その後直ぐにS660のコーナリング性能には役不足になりますので、公道をS660で楽しく走るには適していないという印象です。
タイヤ自体が重く、乗り心地もタイヤノイズも悪いというのもデメリットですね。
S660のタイヤは一般的なスポーツカーよりも小径のため、タイヤ購入費用は大径タイヤを履くスポーツカーよりも安く抑えられます。
そのためNS-2Rと国産ハイグリップタイヤとの価格は相対的に少なくなるので、S660のような軽スポーツカーこそ国産ハイグリップタイヤを選ぶべきだと思います。
S660が純正でADVAN NEOVA AD08を履いているのは伊達ではなく、S660の運動性を余すことなく楽しむのに必要なタイヤだということですね。
次は期待の新作国産ハイグリップタイヤ「ADVAN NEOVA AD09」を履いてみようかと思います!
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